イマーシブシアター『サクラヒメ〜「桜姫東文章」より〜』を見てくださいという嘆願文

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3月20日にCS衛星劇場にて『サクラヒメ〜「桜姫東文章」より〜』が放送される。

 

2020年1月〜2月に上演されて以来3回目だ。

これは、ひょんなことからサクラヒメを観劇するに至り、一ステで満足する予定が一週間通い詰めてしまった挙句本推しが増えたオタクによる「なんでもいいからサクラヒメを見てくれ」嘆願文である。

まずこれだけはお伝えしておこう。

 

円盤出ないから見れる人は絶対に見て

 

 

 

1.『サクラヒメ〜「桜姫東文章」より〜』とは

そもそもサクラヒメとは?イマーシブシアターとは?という方も多いかと思うので、以下に参考文献を提示しておく。

 

 

"あなたの思いが運命(ストーリー)を決める。

輪廻は巡る。生まれ変わった一人の女が、五人の男と出会い、そして…

果たして結ばれるべき2人は誰なのか?

運命の結末は観客(あなた)に委ねられた‪──!!" 

 

"日本最古の歴史を持つ劇場・南座で行われる初の本格的※イマーシブシアター『サクラヒメ』。歌舞伎の『桜姫東文章』に材をとり、イマーシブシアター(体験型公演)に仕立てたオリジナル新作。
1階の観客席を全て取りはらい、舞台面と同じ高さにする南座の新機構“フラット化”を活用し、舞台と客席エリアを完全一体化。その広い空間のいたるところで同時多発的に行われるパフォーマンスを、手の届く距離で観劇できる新しい演劇体験をお楽しみください。

「自分の意志で見るシーンや結末を決める」ことが出来る“南座版イマーシブシアター”。
日本におけるイマーシブシアターを牽引してきたダンスカンパニー「DAZZLE」による脚本・演出で、皆さまひとりひとりにとっての“自分だけの物語”を体験してください。" 

(公式サイトより)

 

イマーシブシアターとは、上記の通り「体験型公演」のことを指す。最近日本でも名前を聞くことも増えてきた。

現在お台場ヴィーナスフォートでロングランで開催されている常設イマーシブシアター『Venus of TOKYO』もサクラヒメを製作されたDAZZLEさんの作品だ。(めちゃくちゃ気になっているが東京に行ける諸々の余裕がない為終わるまでに配信を見なければと思っている。もし行かれた方がいらしたら是非体験したことを教えていただきたい。)

クラヒメのイマーシブは、一階の客席も全部床にして全部舞台にしました。そして一階席(都人)を選んだあなた達は彼ら彼女らが生きる世界の住人となり、そこを歩き回って好きな人や物語を好きなように見れます。という感じ。

更に『サクラヒメ』の特徴は、マルチエンディング型舞台という点。物語の佳境に入ると、ヒロインであるサクラヒメと結ばれるべき男性を5人の中から選び投票せよと指示が入る。

都人はその世界の住人なので他人の運命を決める権利はない。では誰が決めるかというと、着席して観劇する二、三階席(雲上人)である。

かなり自由度が高く、どの席でもなんらかのメリットというか楽しみ方がたくさんある。

因みに、雲上人は近くで何かを見ることなく見下ろすだけかと思えばそんなことはない。微塵もない。(なんならこっちの方が心臓に悪いケースもある)

そして雲上でしか(雲上同士でも場所によっては)見えないシーン、理解できない細かいストーリーもありすぎて目も時間も公演回数も足りない。見れば見るほど楽しいのである。

 

公演時間の大半を占めるイマーシブパートは好き勝手動く人間を好き勝手動く人間が追う形なので、基本的にセリフはない。歌い手(クラヒメ役の純矢ちとせさん雲上の導者役の新里宏太さん)以外はマイクもついていないので、近い人の肉声を聞くことがほとんど。これがまたマジの生活感があって超イマーシブなのである…。演者に話しかけられたりもする…。急に愚痴られたりする。急に押しかけ診療されたりもする。

一階席の都人は入場時に荷物は全てクロークに預け、黒の羽織を渡される為名前の通り都の住人、いわゆるモブとしての参加となる。花街のお座敷に上げていただいたり、賭場に参加することだって可能だ。筆者は接触ビビリチキンのためついぞ手にすることはなかったが、各人手渡しアイテムがあり、お土産をもらえることもある。

大事な部分はセリフが入るが録音を流して演者さんが口や動きを合わせる形。これは主催のDAZZLEさん文化だそう。

それぞれの演者さんがマイムをしたり、ダンスやタップダンス、新体操などの得意分野のムーブで表現をする。(タップダンス流呪術とかダンシング療法とかパワーワードが生まれた要因)

ダンスで天下取りまくってるEXILE世界さんやヒプステでお馴染みToyotakaさん、舞台『刀剣乱舞』で洗練された殺陣をこなす荒木健太朗さんなどホンマに人間か?みたいな人が8人も集まって一気にパフォーマンスするので、何度見ても足りないくらいの技術を1時間15分これでもかと言うほど見せつけられる。右も左も前も後ろも上も下も超人しかいない。アンサンブルさん含めても超人しかいない。

世界レベルのパフォーマーの集結も、サクラヒメの醍醐味の一つである。

余談だが、『サクラヒメ』は上演時間が70分とそう長くはないため一日の公演数が多い。基本的にマチソワ、多い日は3ステ。しかしその70分ダンスやアクロバットなどのパフォーマンスが展開され続けるので、大きな事故怪我なく終演したのはとてもすごいことだと思う。唯一表に出た怪我は体を使ってのパフォーマンスが一番少ない雲上の導者役の新里さんが節分の日の公演終演後開催された豆まきイベント(出演者が客席に豆をぶん投げるイベント)にて振りかぶりすぎたことによる肩の負傷だった。(袖が落ちないよう衣装が固定されていたが可動域に気づけなかったらしい)

 

何度行っても見ていないシーンやパフォーマンスがあったり、エンディングがマルチなので一回観劇でも勿論楽しめるがそれだけじゃ全てを理解できない仕様だ。

誰か一人を追ってその人の物語を見届けるも良し、好きな場面を追ってあなただけのサクラヒメを作るもよし、雲上の住人となり誰と結ばれるべきかニヤニヤしながら5人の様子を見届けるも良し…

なんでもありです(いやほんとに)

とにかく物語、演出、音楽、技術、衣装など全てにおいて感服するばかりだ。一人でも多くの方にこの70分が届けばうれしい。

ちなみに、音楽に関してはサウンドトラックが各音楽配信サービスにてサブスク解禁もされているので、こちらも是非チェックしていただきたい。放送前に予習しておいてどんな演出がされているのか楽しみにするのもきっと楽しいかと思う。曲のタイトルがシーンを表していることも多いが、ネタバレにつながるほどにはならないかと思われる。

 

 

2.あらすじとか

かつて身分の違いにより結ばれることを許されず、崖から身を投げ心中自殺を試みた1組の男女がいた。しかし女(白菊)が先に命を落とし、男は後を追う形になる。その後輪廻は巡り、江戸時代京の都に白菊と男の生まれ変わりが偶然時を同じくして巡り会うこととなる。

白菊の生まれ変わりである花魁クラヒメは、生まれつき左手が開かず呪われた奇形と迫害され幼い頃に花街に売られた過去を持つ。サクラヒメは閉じたままの左手を開こうとすると一人の男と崖を飛び降りようとする前世の記憶を見るが、男の正体はわからないまま。

しかしある日花街での五人の男と出会ったことにより左手が開く。賭場でのイカサマを見抜き成敗する町医者、サクラヒメを狙う輩を撃退した浪人義賊、突然起きた火事の混乱の最中に現れ火中の人々を救い出す、呪術で雲を呼び雨を降らせ火を鎮めた陰陽師。サクラヒメはこの五人のなかに自分と同じ記憶を持った男がいると確信する。

 

以降はイマーシブパートに入り、都の日常を描きながらサクラヒメが運命の相手を探すべく五人の男と心を通じ合わせる様子を追うことができる。が、もちろんそれだけではない。あんな事件が起きたり、こんな出来事があったり、まあ盛りだくさんだ。全員が違う場所で違う動きをしているのだから当たり前だ。

ここで誰を追うか、何を見るかで自分だけのサクラヒメの物語が出来るのだ。

(面白かった事案としては、帰り道に義賊を追っかけていた私の隣でとあるキャストさんのファンの方が「義賊って何してた?なんで義賊?」と言っていたのが聞こえてきた。しかし私も当時義賊が義賊の仕事をしている時彼女の推しが何をしているか詳細を述べられなかったためおあいこである)(その後雲上でちゃんと見た)

隣の人と見ているものが違うとか、双眼鏡が隣の人と交差しているとか、そんな話はよく聞くがそれがより顕著なのがイマーシブシアターと言えるかもしれない。出演者同士ですら映像を見てようやく「お前あの時そんなことしてたの?」なんてことになったそうだ。

そして都での日々を共に過ごしたのち大きな事件が起き、サクラヒメと結ばれるべき男性を選ぶ時が訪れる。結末は雲上人が事前に配布されていた投票用紙の中で結ばれるべき相手のイメージカラーを掲げる形で決定される。

尚、この体験は現場ならではのものではあるが、勿論放送は放送で100%、いや1000000%楽しいのでご安心いただきたい。この記事は再演祈願怪文書でもある。

 

因みに、突然筆者の個人的な意見になるのだが、サクラヒメをここまで推す理由の一つとして後味の良さが大いにある。

「投票で結ばれるべき男性を決定する」といったコンセプトである以上、結ばれない男性が四人出るわけだ。致し方ない。また、出演者の方が公演前に「五人の男性が一人の女性を取り合う」といった表現をされていたこともあった。これが筆者は観劇前はいわゆる乙女ゲーっぽさや当て馬感を勝手に感じており、正直大きな魅力に感じることはできなかった。あとビビリなので接触イベ怖かった

しかし、実際観劇すると、「結ばれない」訳ではなかった。確かにそれぞれ惹かれあってはいたのだが、選ばれなかったとしてもその好意はどちらとも取れるように作られているように感じた。きっとこの物語が終わっても、彼らは彼らが今まで生きてきたようにそれぞれの大切なものを守って生きていくのだろうと思わされたのだ。

言葉がうまくまとまらず申し訳ないが、是非「五人から一人選ばなければいけない」という部分に囚われすぎずにご観劇いただきたい。無論、推しキャラを見つけるも結ばれて欲しい男性を見つけるも自由だ。これはめちゃくちゃ自由な舞台なのだ。あとパフォーマンスと物語を追ってたら割とそんな余裕はない。

「奪い合う」件については、まじであの、なんでそうなった?になるので是非その辺も楽しみにしておいていただきたい。本記事はネタバレは少なめでいくつもりである。

 

3.登場人物紹介

さて、いよいよ登場人物の紹介に移る。

キャラの濃さは勿論、前述の通りそれぞれのキャスト様がとんでもない世界レベルのパフォーマー集団なので、その辺も織り交ぜつつご紹介しよう。と思ったのだが、公式さんがキャストの方々がいかに素晴らしいかについては完璧にまとめてくださっているので筆者の紹介は薄目で流し見ていたただいた方が良いかと思われる。

この機会に気になるキャラを見つけておいていただければ幸いだ。推し贔屓しないように頑張る所存です。

 

🌸サクラヒメ/純矢ちとせさん

クラヒメは前世で永遠を誓った男性とまた廻り逢うべく都に繰り出す超行動派ヒロイン。

上記の花魁道中はオープニングのもの。豪華絢爛かつ堂々とした練り歩きは圧倒の一言。息を呑んで見つめてしまう美しさと迫力がサクラヒメの魅力だ。

そんな花魁道中に負けない強い芯を持った女性であるサクラヒメは、花魁として花街を纏め上げる姿も様になっている。しかしどこか守りたいと思わせるような優しく可愛らしい雰囲気も持ち合わせている、個人的最強ヒロインである。つよいおんなすき。イマーシブパートは可愛らしい姿も多く見られるのだが、観劇パート(イマーシブ以外のパートをなんと呼んだら良いのか分からないのでこう称する)のヒメはとにかく「美しい」「気高い」「格好いい」という印象が先立ってしまうのだ。オープニング中の義賊や陰陽師と遭遇するシーンの台詞は必見である。メチャカッコイイ。ちなみに「サクラヒメ」の英訳はscarlet princessである。メッチャカッコイイ。

クラヒメは作中の数少ない歌パートがある役だ。とにかく音域がとんでもなく広い。演じている純矢ちとせさんはご出身の宝塚で男役のご経験もあるそうなので、この音域にもサクラヒメの格好良さも納得である…。日本舞踊の名取の一面も持っていらっしゃる純矢さんの花魁としての舞踊や三味線も大きな見どころの一つだ。

前述のとおり本作品はサウンドトラックの配信はされているが音源のみの配信のため、歌や出演者が扱う音は収録されていない。是非放送で歌唱シーン・三味線の演奏シーンを見ていただきたい。

また、『サクラヒメ』は衣装も非常に凝っており、サクラヒメは着物とマーメイドドレスを繋げたような作りになっている。大胆に開いた背面のデザインもかわいいので是非見つけてみてほしい。

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~純矢ちとせ<サクラヒメ>インタビュー | 松竹株式会社

 

☯️陰陽師/川原一馬さん

木々の声を聴き、星の行方を読み、術を操る神秘的な陰陽師(公式サイトより)

日頃は都人の手相を見たりお花を売ったりして過ごしている。貸本屋で遭遇した町医者の目当ての本を一緒に探してくれたり、義賊の煙管の吸いすぎを前のめりに注意してくれたり、都の良心なのがこの陰陽師だ。

心の中では良いところ全部持って行き男とこっそり呼んでいるが、その所以は見ていただくと分かってもらえるはずだ。こんな男に勝てるわけがない

落ち着きがあり穏やかな青年かと思いきや、たまに出してくる男らしさや表情がシンプルにドキッとするので敬意を込めてリアコ枠とも呼ばせていただいている。そもそも川原さんの顔に個人的に弱いのでご出演の某ミュージカルでもオフショが上がるたび悲鳴をあげてしまっていたのも記憶に新しい。

陰陽師を演じる川原一馬さんは、舞台『ハイキュー!』などでもご活躍される俳優さんだが、タップダンスやDJなどの特技もお持ちの多才な方である。本作品では残念ながらDJとしてのご活躍は見られないのだが、彼のタップダンスで音楽と物語が展開されるシーンもある。見どころ中の見どころだ。

衣装については個人的にはキービジュアルのごっつい革ブーツにデニムを合わせているスタイルが非常に好きなので是非見て頂きたい。あとすっごい顔がいい。ちなみに髪型は某ハク様イメージらしい。

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~川原一馬<陰陽師>インタビュー | 松竹株式会社

 

浪人/荒木健太朗さん

孤高の気高さと圧倒的な剣術の強さを持つ浪人(公式サイトより)

口下手でどこか寂しさがあるようなクールで強い男は好きですか?多分みんな好きだと思う。この「みんな好きやろこんなん」を地でいくのが浪人だ。どこからともなく現れたかと思えばサクラヒメを救い出し、孤独に去っていくミステリアスな男が次第にサクラヒメに心を開いていく様子は見ていて胸を打つ。

引用ツイートにも様子が掲載されているが、茶道を嗜んだり傘を張ったり歌を詠むなど、かつては武士だった品や気高さを感じられるのも切なさがあって良いのだ。

荒木健太朗さんといえばミュージカル『刀剣乱舞』、『錆色のアーマ』など、小劇場から大舞台まで数多くの作品に出演されており、『サクラヒメ』では海外公演でも絶賛されたという殺陣を披露する。これがまためっちゃかっこいいのである。ずるい。物語の大筋の一つである一人の少年との物語も必見だ。そしてここで詳細は伏せるが、かっこいいだけでなくお茶目な一面も勿論用意されている。ずるい!

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~荒木健太朗<浪人>インタビュー | 松竹株式会社

 

🚬義賊/EXILE世界さん(EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE etc)

優しさとユーモアを併せ持ち自由に生きる義賊(公式サイトより)

義賊は彼が常に蒸している煙管の煙のように掴みどころのない飄々とした性格だ。しかし悪をに立ち向かい弱いもののそばに立つという強い信念が一度顔を覗かせれば、危険も顧みず救いの手を差し伸べる為マントを翻す。みんな好きやろこんなん2号である。

普段は自由にまったりと過ごしており、子供と折り紙に興じたり花街でお酒を嗜んだり、ユーモラスに友人どころかサクラヒメさえ揶揄い、しかし(ほぼ)誰とも深く関わろうとしないちょっぴり不器用な彼の半生には非常に興味がある(ので世界さんよろしくお願いします)

飄々としていて明るく自由な振る舞いをしているが内に熱い思いを秘めていてやるときゃやるどころかメッチャ強い、そんなかっこいい人に覚えはないだろうか。

そう、EXILE世界さんだ。

世界さんといえば、EXILEだけでなくFANTASTICSのリーダーも務め、海外のダンス大会で優勝経験があったりとLDHの中でもダンススキルは超一流と評されるほどの実力を持つ。気になる方は是非彼のInstagramのリールをチェックしてみてほしい。そんなワールドクラスの彼の関節の数を疑うダンスと音ハメは必見である。また、世界さんはワールドクラスのダンサーでありワールドクラスのオタクでもあるので、彼の「ヒーロー」を存分に堪能することもできる。要チェックだ。

個人的に義賊と町医者(後述)の衣装が非常に好きなのでよかったらこちらもよく見てみていただきたい。衣装さん曰く「ひらみ」を意識されたという。わかる。ひらひら良すぎる。背中の編み上げ天才すぎる。あとめっちゃいい匂いした

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~世界(EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE)<義賊>インタビュー | 松竹株式会社

 

🔥鳶/平野泰新さん(MAG!C☆PRINCE)

一本気で仲間思いの男気に溢れ火事場でのアクロバティックな活躍を見せる鳶(公式サイトより)

鳶はレッドらしくアツく元気いっぱいちゃきちゃきの「江戸っ子」である。(京都ですが…)若者らしいエネルギーに溢れ、消火訓練や夜の見回りなどで都人を守ってくれる。そして何よりサクラヒメの姿を認めるとパッと開く笑顔がとにかく可愛いのである…。年下ワンコ系は好きか!?ならきっと鳶くんも好きだ!

元気印の気のいい兄ちゃんかと思いきや、花が出てきたら要注目である。もうなんか、とにかく、うわああああああってなるので 彼の幸福を願う。切に願う。毎日一瞬赤に投票しかけた。(筆者の投票歴については後日ということで)

五人の中で一番若い平野さんは、インターハイ常連の青森山田高等学校の新体操部に所属されていたこともあり、アクロバットを得意とされる。長い手足から繰り出される技の数々に思わず拍手が湧くシーンも少なくない。拍手が起きてたら大抵中心に鳶がいる。そのパワーと技術はメンバーに「アイドルよりこっちが本職」と言われるほどである。(サクラヒメアフタートークにて)現在はMAG!C☆PRINCEという中部を中心に活動するアイドルグループでリーダーをされているのだが、そちらでもメンバーカラーは赤らしい。びっくりするくらい赤が似合う。

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~平野泰新(MAG!C☆PRINCE)<鳶>インタビュー | 松竹株式会社

 

🐆町医者/Toyotakaさん(Beat Buddy Boi/CONDENSE etc)

医は仁術の精神で、貧しい者には無料で治療を施す心優しき町医者(公式サイトより)

柔らかい物腰と口調に紳士的な態度、町医者といえば「紳士」である。貧しいものから金銭を受け取ることはなく手を差し伸べる分け隔てなく優しい男だ。しかしある人物を前にすると……それは見てのお楽しみだ。そして都人の病気や怪我を患部に触れて「エイッ」だけで完治させる能力を某ニュース番組で晒されてしまった人でもある。

公演前に演者のToyotakaさんと世界さんが仰っていたのだが、「義賊」「浪人」「陰陽師」「鳶」と並んで「町医者」とはなんたることか。戦わなさそう。大丈夫かな?心配ご無用。飛んできた矢文を手掴みするゴリラであるそもそも町医者は生まれは裕福ではなく、自身が何があっても医者にかかる金がなかったことからじゃあ俺が医者になるかとなった背景を持つ。そんな町医者の優しさや繊細さから生まれる強さと切なさを是非見届けていただきたい。特に引用ツイートにもあるヒメとのあやとりは名シーンだ。これで筆者は町医者にあっけなく落ちた。

Toyotakaさんも世界さんと同じくワールドクラスの大会で成績を残しているダンサーであり、Beat Buddy Boiというグループをメインに活動されているが他にもいくつかグループに所属しており、その中にマイメン世界さんと組んでいるFTHEBというチームもある。『サクラヒメ』はセカトヨというコンビ名が轟くことになった記念すべき舞台でもあるのだ。あと最近舞台『ヒプノシスマイク』に出たり社長になったり初音ミクとコラボしたりと大忙しの慶應ボーイである。情報量が多すぎる。

そんなマイメンセカトヨが繰り広げるダンスシーン、とにかく見応えしかないので是非是非チェックしていただきたい。また、このお二人はダンスジャンルが近いことから衣装も形が近くなるように作られている。ひらひらの義賊とすらっとした町医者の対比もまた良い。町医者の衣装が筆者は一番好きなのでこちらも注目していただけると嬉しい。スキニー最高。脇の編み上げも最高。めっちゃ好みだ勘弁してほしい。

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~Toyotaka(Beat Buddy Boi)<町医者>インタビュー | 松竹株式会社

 

🦅盗賊/高田秀文さん(DAZZLE)

「こいつは選ばれない」とかいうパワーワードが見えたのでこちらを引用してしまった。ここからは投票枠の五人の男性ではない。選べない。

盗賊は舞台の狂言回役、そして物語の分岐に関わる重要なキャラクターだ。闇夜とともに現れては事件を起こすが、それが水面下で進んでいくなんとも不気味な感覚が次第に癖になっていく。彼の正体はクライマックスで明かされるので、是非楽しみにしておいていただきたい。

所謂悪役のような立ち回りをして、彼ら彼女らの前に立ちはだかる盗賊だが、彼が出てくるシーンはまあなんとも迫力があってかっこいい。サントラで聞くだけで息が乱れて涙が出てくるくらいにはかっこいい。たまらない。

高田さんは『サクラヒメ』を制作したDAZZLEさんのメンバーであるダンサーだ。現在上演されている『Venus of TOKYO』にもご出演されている。『サクラヒメ』の振り付けはコンテンポラリー的な要素が入っているのだが、高田さん演じる盗賊はとにかく渋く、様になるのだ。衣装もかっこいいので是非じっくり見てみていただきたい。

 

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~高田秀文<盗賊>インタビュー | 松竹株式会社

 

☁️雲上の導者/新里宏太さん

どこからともなくふらりと現れ、雲上から都を見つめる雲上の導者。もう一人の狂言回役であり、言葉と歌声で雲上の人々を導いてくれる。作中男性陣は全員一度は雲上席に上がってきて運が良ければ話すことなどもできるのだが、「雲上人」としてこちらに干渉してくるのは盗賊と雲上の導者だけだ。物語の佳境で雲上人の投票を促してくるのも彼の役目である。

都に息づく人々とは対照的なヒトならざるものである彼の皮肉の効いた口ぶりや立ち居振る舞い、声にも是非注目していただきたい。もうなんていうか、シンプルめっちゃ歌上手い。雲上席では神出鬼没で、本当に気づいたら真横とか真後ろとかに立っているのでとても心臓に悪い。

アーティストである新里さんの強みは、ノイズのないパワフルなハイトーン。女性キーをポンと出してしまう異質さが、雲上の導者の神聖さを引き立てる。実は、『サクラヒメ』制作当初「雲上の導者」という役は存在しなかったのだそうだ。新里さんは当時五人のうちの一人としてオファーを受けていたそうなのだが、新里さんのご出演されたミュージカルを観劇したプロデューサーが「折角だし歌わせたいな」となり雲上の導者という存在が生まれたのだとか。(新里さんのLINELIVEより)そんなトンデモエピソード持ち(掘れば掘るほど出てくる)の新里さんは、歌手でありながら役者としても活躍中だ。2021年『ロミオ&ジュリエット』のマーキューシオから彼を知った方も多いかと思う。そこのあなた、是非雲上の導者に会っていただきたい。新里さんの振り幅にひっくり返ってくれ。雲上の導者の歌唱シーンは二つあるのだが、歌詞の対比も非常に美しいので是非注目してほしい。ちなみに本ブログのタイトルもこちらの歌詞からいただいている。歌がうまい人が好きな人は彼のYouTubeチャンネル『宏ちゃんネル』も要チェックだ。

神聖な衣装もさることながら、キービジュアルのメイクがとっても可愛いので是非見てみていただきたい。あとすんごい脚細い。

情報量でバレていると思うが、筆者はこの公演であっさりと新里宏太さんに沼落ちしたオタクである。舞台、絶対見に行きたい。お金落としたい。

イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~新里宏太<雲上の導者>インタビュー | 松竹株式会社

 

ちなみに、ちょくちょく登場している南座様のTwitterアカウントは「夢のおすそわけ」と称してサクラヒメの公演写真を死ぬほどアップしてくれている。めちゃくちゃ助かる。(命が)

引用しているのがすべてではないので、興味がある方はぜひ南座様のアカウントや『サクラヒメ』公式アカウント、キャスト様のアカウントをのぞいてみてほしい。キャストが引くほど仲いい。一人の楽屋に集まってご飯食べたり童謡の替え歌して遊んだり年下の筋肉いじめたりリプライで年上に舐めプ働いたりしている。

www.instagram.com

 

 

 

4.『サクラヒメ』に興味がある皆様へ

ここまで気の赴くままに『サクラヒメ』の世界をご紹介してきたが、いかがだろうか。

先にも書いたとおり、もちろん実際に足を運ぶからこその楽しみも多い作品だが、映像だからと言って作品の素晴らしさが劣るとは考えていない。物語の要所はもちろん、見どころをしっかりと捉えたカメラワークには感動したほどだ。映像の前後には、メインキャストの座談会も組まれていて非常に豪華な仕上がりとなっている。

そして何より、冒頭でも述べた通りこの作品は円盤が出ない。映像化されているのはゲネプロの回なのだが、放送中のナレーションにて「資料・記録目的の映像を特別に公開」と述べられているのだ。出しませんと言っているようなものだ。二年間ずっと夢のおすそ分けとサントラと録画と記憶にしがみついて円盤の幻覚を見ている。むしろ三回も放送してくださっていることに感謝している。

『サクラヒメ』は、2020年1月末〜2月上旬に渡って上演された。これだけでピンとくる方もいるかもしれないが、この頃は丁度「新型コロナウイルス」という言葉を我々が初めて耳にして、自分ごととしての意識が始まった頃だった。

実際、公演期間中も途中から入場にはマスク必須の要請が入ったことも記憶に残っている。ソーシャルディスタンスの真逆を行くような舞台だ。もしあと一週間でも公演期間が遅かったら途中で公演中止になっていたかもしれない。(現在も多くの作品が中止になっており、胸を痛める方も多くいることは承知の上であえて記述した。)

イマーシブシアターが気になる、『サクラヒメ』が気になる・観劇できなかった、気になる役者さんがいるなど、本記事をここまで読み進めてくださった方にはそれぞれ理由があるのではないかと思う。ただの1ファンではあるが、必ず後悔させないと断言しよう。見れる環境が整っている方、整える準備が可能な方。是非とも一度この愛しく切なく楽しい世界に飛び込んでみていただきたい。

不器用ながらも懸命に毎日を生きる都の住人たちは、きっとこの自由に歩くことすら憚られる今の世を生きる我々に、明日への活力を与えてくれることだろう。

終演後の後ナレでの雲上の導者様の「桜の咲くころにまたお会いしましょう」という言葉を私はずっと信じている。どうか、いつかまた、この目で、耳で、肌で、脚で『サクラヒメ』の息づく都を感じたいと心から願う。

 

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カテコの撮影・拡散OKタイムのもの。だいたい右(純矢さんの隣はその回選ばれた方が立っている。鳶エンドや浪人エンドの時はトヨさんが右に来るため四人)がふざけ倒してて可愛かった。しっかり推しエンドの画像ですいません。

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四人でふざけ倒してる方。

 

 

(参考文献/関連記事)

クラヒメ公式サイト
イマーシブシアター『サクラヒメ』~『桜姫東文章』より~

 

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